「夫のことは大切だけど、夜の営みは正直もうしたくない…」そんな風に感じて、ひとりで悩んでいませんか？ パートナーとの大切な時間であるはずなのに、気が進まなかったり、義務のように感じてしまったりするのは、とても辛いことですよね。「断りたいけど、どう伝えたらいいんだろう？」「断ったら、夫婦の関係が悪くならないかな…」そんな不安や罪悪感で、ますます言い出せなくなってしまう方も少なくありません。
この記事では、そんなあなたの悩みに寄り添い、「旦那としたくない」と感じる原因を探りながら、夫を傷つけずに気持ちを伝え、これからも良好な夫婦関係を築いていくための具体的な方法を、丁寧に解説していきます。ひとりで抱え込まず、解決への一歩を一緒に踏み出しましょう。
「旦那としたくない」と解決法を模索しているのはあなただけではない
まず知っていただきたいのは、「旦那さんとしたくない」と感じているのは、決してあなた一人ではないということです。夫婦の形が多様であるように、性に対する考え方や求める頻度も人それぞれ。そして、その気持ちは時間や状況によって変化していくものです。ここでは、多くの女性が抱えるこの悩みについて、そしてその気持ちを受け入れることの大切さについてお伝えします。
多くの女性が抱える、夫婦の夜の悩み
実は、パートナーとの夜の営みについて悩んでいる女性は、あなたが思っている以上にたくさんいます。特に、出産や育児、仕事、加齢など、ライフステージの変化に伴って、女性の心や身体には様々な変化が訪れます。それに伴い、性に対する意欲が減退したり、夫との間に温度差が生まれたりすることは、決して珍しいことではありません。アンケート調査などでも、セックスレスに悩む夫婦の割合は年々増加傾向にあると言われています。「自分だけがおかしいのでは？」と自分を責める必要は全くありません。
「したくない」と思うのは、決して悪いことじゃない
「妻として、求めに応じるべきなのでは…」「愛情がなくなったと思われたらどうしよう…」そんな風に考えて、自分を責めてしまうかもしれません。しかし、「したくない」という自分の正直な気持ちを否定する必要はありません。それは、あなたの心と身体が発している大切なサインかもしれません。無理をして応じ続けてしまうと、精神的な負担が大きくなるだけでなく、かえって夫婦関係に溝が生まれてしまう可能性もあります。まずは、その気持ちを「悪いこと」だと決めつけず、正直に受け止めることから始めましょう。
ひとりで抱え込まず、まずは自分の気持ちと向き合おう
この問題は非常にデリケートで、親しい友人にもなかなか相談しづらいかもしれません。だからこそ、ひとりで抱え込んでしまいがちです。しかし、悩みを解決するためには、まずあなた自身の気持ちを整理することが大切です。「なぜしたくないと感じるのか？」「いつからそう思うようになったのか？」「夫に対して、具体的にどう感じているのか？」など、自分の心とじっくり向き合う時間を持ってみましょう。ノートに書き出してみるのも良い方法です。
なぜ？「旦那としたくない」と感じてしまう原因を探る
「したくない」と感じる背景には、様々な原因が考えられます。原因を特定することが、解決への第一歩となります。ここでは、考えられる主な原因を「身体的」「精神的」「関係性」「過去の経験」といった側面から掘り下げていきます。ご自身の状況と照らし合わせながら、原因を探ってみましょう。
疲れ、産後の変化、体調不良
日々の家事や育児、仕事などで慢性的な疲れが溜まっていると、性的な欲求を感じにくくなるのは自然なことです。また、産後はホルモンバランスが大きく変化し、性欲が減退したり、授乳による身体の変化、会陰切開の傷の痛みなどが原因で、セックスに対して前向きになれないケースも多くあります。その他、婦人科系の疾患や更年期障害、服用している薬の副作用などが影響している可能性も考えられます。
ストレス、マンネリ、愛情の変化
仕事や人間関係、経済的な問題など、日常生活で強いストレスを感じていると、心に余裕がなくなり、夜の営みどころではなくなってしまうことがあります。また、長年連れ添ったことによるマンネリ化や、夫婦間の愛情表現が減ったと感じることで、「ときめき」を感じられなくなり、気持ちが離れてしまうことも原因の一つです。夫への不満が積み重なり、愛情そのものが冷めてしまったと感じている場合もあるかもしれません。
コミュニケーション不足、喧嘩、価値観の違い
普段から夫婦間のコミュニケーションが不足していると、お互いの気持ちがすれ違い、心の距離が生まれてしまいます。喧嘩が絶えなかったり、セックスに対する価値観や考え方に大きな違いがあったりすることも、夜の営みを避けたいと感じる原因になります。例えば、夫が自分の欲求ばかりを優先し、あなたの気持ちや身体への配慮がないと感じる場合、セックスそのものが苦痛になってしまうこともあります。
トラウマや嫌な記憶
過去に性的なトラウマを経験していたり、夫とのセックスで嫌な思いをしたりした経験があると、それが心の傷となり、セックスに対して恐怖心や嫌悪感を抱いてしまうことがあります。無理強いされた経験や、デリカシーのない言動なども、後のセックスへの意欲に影響を与える可能性があります。
原因はひとつじゃない？複合的な要因を考える
ここまでいくつかの原因を挙げてきましたが、「したくない」理由は一つだけとは限りません。多くの場合、これらの原因が複雑に絡み合っています。「疲れも溜まっているし、最近夫との会話も減っている気がする…」というように、複数の要因が影響している可能性も考えながら、ご自身の状況を整理してみましょう。原因を客観的に見つめることで、具体的な対策を考えやすくなります。
夫を傷つけずに「したくない」気持ちを伝えるための上手な断り方
「したくない」という気持ちを夫に伝えるのは、とても勇気がいることです。伝え方によっては、夫を深く傷つけてしまったり、夫婦関係に亀裂が入ってしまったりする可能性もあります。ここでは、できるだけ円満に、あなたの正直な気持ちを伝えるための具体的なステップと、避けるべきNGな伝え方について解説します。
拒絶ではなく対話を意識する
最も重要なのは、「あなたを拒絶しているわけではない」というメッセージを明確に伝えることです。セックスを断ることは、夫自身を否定することではありません。あくまで「今はそういう気持ちになれない」という、あなたの状況や感情を伝えることが目的です。一方的に拒絶するのではなく、「話し合いたい」という姿勢で、対話を意識することが大切です。
【ステップ1】伝えるタイミングと場所を選ぶ
夫が疲れている時や機嫌が悪い時、あるいは寝室でムードが高まっている最中に突然切り出すのは避けましょう。お互いにリラックスしていて、落ち着いて話ができる時間と場所を選びましょう。リビングでくつろいでいる時や、休日の昼間など、時間に余裕がある時が良いかもしれません。「少し話したいことがあるんだけど、時間ある？」と事前に伝えておくと、相手も心の準備ができます。
【ステップ2】「Iメッセージ」で自分の気持ちを正直に話す
相手を主語にする「You（ユー）メッセージ」（例：「あなたはいつも自分勝手だ」）ではなく、自分を主語にする「I（アイ）メッセージ」で伝えることを意識しましょう。
- 例：「最近、疲れが溜まっていて、夜はゆっくり休みたい気持ちが強いんだ。」
- 例：「産後から身体の調子がまだ万全じゃなくて、今は正直、そういう気持ちになれないんだ。」
- 例：「ごめんなさい、今日は気分が乗らなくて…。また今度、気持ちが向いた時にお願いしてもいいかな？」
このように、「私は～と感じている」「私は～したい」という形で伝えることで、相手は責められていると感じにくく、あなたの気持ちを理解しやすくなります。正直に、しかし柔らかい言葉を選ぶことが大切です。
【ステップ3】相手への配慮を忘れずに
気持ちを伝える際には、夫への愛情や感謝の気持ちも併せて伝えるようにしましょう。
- 例：「あなたのことは、人として、夫として、とても大切に思っているよ。」
- 例：「いつも家族のために頑張ってくれて、本当に感謝しているんだ。」
- 例：「セックスは今すぐには難しいかもしれないけど、あなたのことは大好きだよ。」 このように、セックスを断ることと、相手への愛情は別であることを明確に伝えることで、夫の不安を和らげることができます。
避けるべき言葉や態度
全否定・人格否定
「あなたとは絶対にしたくない」「気持ち悪い」など、相手の人格を傷つける言葉は絶対に避けましょう。
無視・無言
何も言わずに避け続けたり、求められても無視したりするのは、相手を不安にさせ、不信感を募らせる原因になります。
責任転嫁
「あなたがもっと〇〇してくれたら…」のように、相手だけに原因があるかのような言い方は、喧嘩の火種になります。
嘘をつく
体調不良などを理由に一時的に断るのは仕方ない場合もありますが、根本的な解決にはなりません。嘘を重ねると、信頼関係が崩れてしまいます。
面倒くさそうな態度
ため息をついたり、嫌そうな顔をしたりするのも、相手を深く傷つけます。
断った後も良好な夫婦関係を続けるためのヒント
「したくない」と伝えた後、少し気まずい雰囲気になることもあるかもしれません。しかし、ここからが二人の関係を再構築していくための大切なステップです。夜の営みがなくても、あるいは頻度が減ったとしても、夫婦として愛情を育み、良好な関係を維持していくことは可能です。そのための具体的なヒントをご紹介します。
夜の営みだけが夫婦の愛情表現ではない
夫婦の愛情を確認し合う方法は、セックスだけではありません。もちろん、セックスも大切なコミュニケーションの一つですが、それが全てではないということを、まず夫婦で共有できると良いでしょう。「セックス＝愛情」という思い込みから解放されることで、お互いの精神的な負担が軽くなることがあります。
日常的なスキンシップを大切にする
セックスは気が進まなくても、手をつなぐ、ハグをする、肩を寄せ合う、隣に座ってテレビを見る、といった日常的なスキンシップは、愛情や安心感を伝える上で非常に効果的です。「触れられること自体が嫌」というわけでなければ、意識的にスキンシップの機会を増やしてみましょう。温かい触れ合いは、心の距離を縮めてくれます。
感謝の気持ちを言葉で伝える習慣を
「ありがとう」「助かるよ」「お疲れさま」といった感謝の言葉は、夫婦関係の潤滑油です。些細なことでも、意識して言葉に出して伝えるようにしましょう。感謝の気持ちを伝え合うことで、お互いを尊重し、大切に思う気持ちが育まれます。これは、夜の営みの有無に関わらず、良好な夫婦関係の基本と言えるでしょう。
二人の時間を作り、コミュニケーションを深める
忙しい毎日の中でも、意識して夫婦二人の時間を作るようにしましょう。一緒に食事をする、散歩をする、共通の趣味を楽しむ、ただゆっくり話をするだけでも構いません。お互いの近況を報告し合ったり、将来のことを話したりする中で、心の繋がりを再確認することができます。定期的な「夫婦デート」もおすすめです。
共通の趣味や目標を見つける
一緒に楽しめる趣味や、二人で協力して達成できる目標を見つけるのも、夫婦の絆を深める良い方法です。スポーツ、旅行、料理、ガーデニングなど、何でも構いません。共通の体験を通して、会話が増え、一体感が生まれます。夫婦を「チーム」として捉え、協力し合う関係性を築くことができれば、より強い絆で結ばれるでしょう。
夜の営み以外の愛情表現やスキンシップの提案
セックスレスや頻度の減少があっても、夫婦間の愛情を育む方法はたくさんあります。「具体的にどんなことをすればいいの？」と感じている方のために、夜の営み以外でできる愛情表現やスキンシップの具体的なアイデアをいくつかご紹介します。無理のない範囲で、取り入れられそうなものから試してみてください。
言葉での愛情表現
「ありがとう」「お疲れさま」
日々の感謝を具体的に伝える。
「好きだよ」「愛してる」
ストレートな愛情表現も時には大切。照れくさい場合は、手紙やメッセージで伝えるのも良いでしょう。
「すごいね！」「頑張ってるね」
相手の良いところを褒める、努力を認める言葉をかける。
「大丈夫？」「何かあった？」
相手を気遣う言葉をかける。
一緒に過ごす時間を楽しむ
夫婦でデート
レストランでの食事、映画鑑賞、ドライブなど、恋人時代を思い出すような時間を作る。
家でゆっくり過ごす
一緒に料理をする、同じソファでくつろいでDVDを見る、晩酌を楽しむなど、リラックスした時間を共有する。
共通の趣味を楽しむ
一緒にスポーツをする、旅行に行く、ゲームをするなど、二人で熱中できることを見つける。
軽いボディタッチ
いってらっしゃい・おかえりのハグやキス
習慣にすることで、自然なスキンシップが増える。
手をつなぐ
外出時だけでなく、家の中でも意識して手をつないでみる。
肩や背中をポンと叩く・さする
励ましやねぎらいの気持ちを込めて。
マッサージをし合う
疲れを癒し合いながら、リラックスした触れ合いの時間を持つ。
スキンシップの頻度や種類について話し合う
どんなスキンシップなら心地よく感じられるか、どのくらいの頻度が理想的かなど、スキンシップに関するお互いの希望や考えを話し合ってみることも大切です。「セックスは今は難しいけど、ハグはしたいな」といった具体的な要望を伝えることで、お互いが満たされるスキンシップの形を見つけられるかもしれません。
どうしても解決が難しいときは専門家への相談も視野に
夫婦だけで話し合ってもなかなか解決の糸口が見えない場合や、問題が深刻化していると感じる場合は、専門家の力を借りることも有効な選択肢です。専門家は、客観的な視点から問題点を整理し、夫婦間のコミュニケーションを円滑にするためのサポートをしてくれます。抵抗を感じるかもしれませんが、選択肢の一つとして知っておくだけでも心が軽くなることがあります。
夫婦カウンセリングという選択肢
夫婦カウンセリングでは、専門のカウンセラーが中立的な立場で夫婦の話を聞き、問題解決に向けてサポートしてくれます。お互いの本音を安全な場で話し合う機会を持つことで、誤解が解けたり、新たな気づきが得られたりすることがあります。二人で一緒に受けるのが基本ですが、まずは一人で相談してみることも可能です。
セックスレス専門のカウンセラー
夫婦問題の中でも、特にセックスレスに関する悩みを専門に扱っているカウンセラーやセラピストもいます。性科学や心理学に基づいた専門的な知識を持っているため、より具体的なアドバイスや解決策の提案が期待できます。
公的機関やNPOなどの相談窓口
自治体の相談窓口や、女性相談センター、NPO法人が運営する相談サービスなどでも、夫婦関係や性の悩みに関する相談を受け付けている場合があります。費用が比較的安価であったり、無料で相談できたりするケースもあるので、お住まいの地域の情報を調べてみるのも良いでしょう。
まずは情報収集から始めてみる
いきなりカウンセリングを受けるのはハードルが高いと感じる場合は、まずは関連書籍を読んでみたり、信頼できる情報サイトで知識を得たりすることから始めてみるのも一つの方法です。様々な情報に触れる中で、自分たちに合った解決策のヒントが見つかるかもしれません。
まとめ
「旦那としたくない」という悩みは、決して珍しいことではありません。そして、その気持ちを抱えること自体は、決して悪いことではありません。大切なのは、その気持ちに正直に向き合い、夫婦でコミュニケーションを取りながら、お互いが心地よくいられる関係性を築いていくことです。
この記事では、その原因を探り、上手な伝え方、断った後の関係維持のヒント、そして専門家への相談という選択肢まで、様々な角度から解決策を提示してきました。すぐに全てが解決するわけではないかもしれませんが、まずは小さな一歩からで構いません。自分の気持ちを整理すること、勇気を出して夫に話してみること、日常のスキンシップを少し増やしてみることなど、できることから始めてみてください。
ひとりで抱え込まず、この記事があなたの悩みを解決し、より良い夫婦関係を築くための一助となれば幸いです。あなたは決して一人ではありません。未来のために、少しずつ前へ進んでいきましょう。