毎日、時計の針に追われ、子どもの世話と家事に明け暮れる日々。「夫は仕事で仕方ない」と自分に言い聞かせても、心と体はもう限界…。気づけば、たった一人で育児と家事のすべてを背負う「ワンオペ育児」になっていませんか?孤独感や疲労感、そして夫への不満が募り、「この生活、いつまで続くんだろう…」「いっそ離婚した方が楽になれるかもしれない」そんな考えが頭をよぎる瞬間もあるかもしれません。ワンオペ育児の夫婦は離婚率が高いという話を聞いて、ますます不安になっている方もいるでしょう。「離婚したい」なんて思う私はひどい母親、ダメな妻なのでしょうか?いいえ、決してそんなことはありません。
この記事では、ワンオペ育児が夫婦関係にもたらす影響や、離婚率の真実、そして「離婚したい」と感じてしまうその苦しい胸の内に寄り添いながら、夫婦関係を改善するための具体的なヒントや、あなた自身が納得できる未来を選ぶための考え方について、丁寧に解説していきます。一人で抱え込まず、一緒に考えていきましょう。
ワンオペ育児と離婚率のリアル
「ワンオペ育児だと離婚しやすい」という話を耳にすると、ドキッとしてしまいますよね。ここでは、気になる離婚率のデータに触れつつ、それ以上に目を向けるべき「なぜワンオペ育児が夫婦の溝を深めてしまうのか」という根本的な原因を探ります。多くの女性が抱える「離婚したいかも」という気持ちの背景にある、リアルな声にも耳を傾けてみましょう。
「ワンオペ育児だと離婚率が高い」は本当?気になるデータと実情
「ワンオペ育児 家庭 離婚率」といったキーワードで検索すると、様々な情報が出てきます。しかし、実は「ワンオペ育児の家庭に限定した明確な離婚率」を示す公的な統計データは、現在のところ存在しません。ただし、離婚原因の上位には常に「性格の不一致」や「価値観の違い」「異性関係」などと並んで、「家族・親族との折り合いが悪い」「精神的な虐待(モラハラ)」「生活費を渡さない」といった、コミュニケーション不足や協力体制の欠如がうかがえる項目が挙げられています。
ワンオペ育児は、まさにこうした夫婦間のすれ違いや不公平感、精神的な負担を生み出しやすい状況と言えるでしょう。データが直接示さなくとも、ワンオペ育児が離婚のリスクを高める要因の一つになり得る、というのが多くの専門家や経験者の指摘するところです。大切なのは、数字に一喜一憂するのではなく、なぜワンオペ育児が夫婦関係に亀裂を生じさせやすいのか、その構造を理解することです。
なぜワンオペ育児は夫婦の溝を深めるのか?離婚につながる主な原因
ワンオペ育児が離婚の引き金となり得るのは、単に「忙しいから」「疲れるから」だけではありません。そこには、夫婦関係を蝕む深刻な原因が潜んでいます。
圧倒的な孤独感と孤立感
夫は仕事、頼れる人も近くにいない…。社会から切り離されたような感覚、誰にも大変さを理解してもらえないという孤独感は、精神的に非常に大きなダメージとなります。「私だけが頑張っている」という思いは、徐々に心を蝕んでいきます。
コミュニケーション不足と質の低下
夫婦でゆっくり話す時間がないだけでなく、会話の内容も子どものことや事務連絡ばかりになりがちです。夫への不満を伝えようとしても、「疲れているから」「今忙しいから」と後回しにされたり、真剣に取り合ってもらえなかったりすると、対話を諦めてしまうケースも少なくありません。
感謝や労いの欠如
妻が家事・育児を「やって当たり前」という空気が家庭内に蔓延すると、夫からの感謝や労いの言葉は期待できなくなります。どんなに頑張っても認められない、評価されないという状況は、自己肯定感を著しく低下させ、夫への愛情も冷めていく原因となります。
夫への不満と信頼感の喪失
「もっと協力してほしい」「私の大変さを分かってほしい」という切実な願いが夫に届かない状況が続くと、不満は諦めや怒りへと変わり、最終的には夫への信頼感を失ってしまいます。「この人とこれからの人生を共に歩んでいけるのだろうか」という疑問が生まれるのは、自然なことかもしれません。
価値観のずれの顕在化
子育てに対する考え方、家事の分担に対する意識、お金の使い方など、結婚前は気にならなかった価値観のずれが、子どもが生まれ、生活が変化する中で大きく顕在化することがあります。特に、夫が「育児は母親の役割」という固定観念から抜け出せない場合、溝は深まる一方です。
セックスレス
疲労やストレス、夫への不満などから、夫婦間のスキンシップや性的な関係がなくなることも、離婚につながる要因の一つとして挙げられます。心の距離が体の距離にも表れてしまうのです。
「離婚したいかも…」と感じる瞬間とその心理
ワンオペ育児の真っ只中で、「もう無理かもしれない」「離婚」という言葉が頭をよぎるのは、決してあなただけではありません。多くの女性が、同じような苦しみを抱え、葛藤しています。
体調を崩しても休めない時
高熱が出ても、子どもの世話は待ってくれない。夫に助けを求めても「仕事だから無理」と言われ、一人でフラフラになりながら乗り切った時、「私がいなくなっても、この人は困らないのかもしれない」と虚しさを感じる。
夫が自由を満喫している姿を見た時
自分は一日中子どもに付きっきりで息つく暇もないのに、夫は飲み会や趣味を楽しんでいる。その姿を見て、「なぜ私だけがこんなに我慢しなければならないの?」と強い不公平感と怒りがこみ上げる。
「ありがとう」の一言がない時
毎日必死で家事と育児をこなしても、夫からは感謝の言葉一つない。それどころか、「部屋が散らかっている」「ご飯が手抜きだ」などと文句を言われた時、自分の存在価値まで否定されたように感じ、心が折れてしまう。
建設的な話し合いができない時
勇気を出して「辛い」「手伝ってほしい」と伝えても、「俺だって疲れてる」「考えすぎだ」と一蹴されたり、逆ギレされたりして、まともな話し合いにならない時。深い絶望感と、「この人とはもう分かり合えない」という諦めの気持ちが生まれる。
ふと将来を考えた時
「このワンオペ状態が、あと何年、何十年も続くのだろうか?」と考えた時、自分の人生がこのまま終わってしまうような恐怖と絶望を感じ、「違う生き方があるのではないか」と離婚が選択肢として浮かんでくる。
「離婚したい」と感じるのは、あなたが「悪い妻」「ダメな母親」だからではありません。それは、過酷な状況の中で、心と体が発している限界のサイン、助けを求める悲鳴なのです。その気持ちを否定せず、まずは受け止めてあげてください。
「離婚したい」と感じたら考えるべきこと
「離婚」という二文字が頭をよぎった時、感情的に突っ走ってしまうのは危険です。一度立ち止まって、自分の本当の気持ちや、夫婦が抱える問題点を冷静に見つめ直す時間を持つことが大切です。ここでは、後悔しない選択をするために、まず考えておきたいことを整理します。
まずは自分の心と向き合う時間を持つ
怒りや悲しみ、疲労感といった感情に飲み込まれていると、本心が見えにくくなります。「離婚したい」という気持ちは、本当に「夫との関係を完全に終わらせたい」という最終的な結論なのでしょうか?それとも、「この辛い状況から抜け出したい」「夫に変わってほしい」「もっと大切にされたい」というSOSのサインなのでしょうか?
まずは、一人になれる時間と場所を確保し、自分の心に静かに問いかけてみましょう。ノートに今の気持ちを書き出してみるのも良い方法です。「何が一番辛いのか?」「夫にどうしてほしいのか?」「理想の夫婦関係、理想の生活はどんなものか?」「離婚したら、何が解決して、何が新たな問題になるのか?」などを具体的に書き出すことで、思考が整理され、自分の本当の望みが見えてくることがあります。焦って結論を出す必要はありません。時間をかけて、じっくりと自分の内面と対話することが重要です。
夫との関係、現状の問題点を整理する
感情的な部分だけでなく、客観的に現状を把握することも大切です。以下の点を具体的に書き出して整理してみましょう。
ワンオペ育児の具体的な状況
・平日のタイムスケジュール(起床から就寝まで、何にどれくらい時間を費やしているか)
・休日の過ごし方(夫の関与度、自分の休息時間はあるか)
・夫の家事・育児への具体的な貢献度(何をどれくらい担当しているか、あるいは全くしていないか)
・頼れるサポート(実家、義実家、友人、公的サービスなど)の有無とその利用状況
夫婦関係の問題点
・コミュニケーションの頻度と質(どんな会話をしているか、不満や要望を伝えられているか、夫は耳を傾けてくれるか)
・感謝や労いの言葉はあるか
・価値観のずれ(子育て方針、金銭感覚、時間の使い方など)
・スキンシップや性生活の状況
・決定的な出来事(暴言、暴力、無視、裏切りなど)の有無
夫の良い点・感謝している点
問題点だけでなく、夫の良い部分や感謝していることがあれば、それも正直に書き出してみましょう。関係修復の可能性を探る上で、ポジティブな側面にも目を向けることは大切です。
このように具体的に書き出すことで、問題の核心が明確になり、解決策を考える上での土台となります。また、夫と話し合う際にも、具体的な事実に基づいて冷静に伝えることができるようになります。
「離婚=悪」ではない。罪悪感を手放す考え方
「離婚を考えるなんて、子どもがかわいそう」「世間体が悪い」「私が我慢すれば丸く収まる」…そんな罪悪感や固定観念に縛られていませんか?
もちろん、離婚は簡単な決断ではありませんし、子どもへの影響も考慮すべき重要な点です。しかし、母親が心身ともに疲れ果て、笑顔を失い、常にイライラしている家庭が、子どもにとって本当に幸せな環境と言えるでしょうか?仮面夫婦を続けることが、子どもに良い影響を与えるとは限りません。
大切なのは、「あなた自身が幸せであること」です。あなたが自分らしく、心穏やかに過ごせるようになることが、結果的に子どもの幸せにもつながる可能性があります。離婚は、決して「失敗」や「逃げ」ではありません。時には、自分と子どもの未来のために必要な「選択」であり、「新たなスタート」にもなり得るのです。
「離婚したい」と考えてしまう自分を責める必要はありません。それは、あなたがより良い人生を求めている証拠でもあります。罪悪感を手放し、「自分はどうすれば幸せになれるのか?」という視点で、フラットに考えてみることが大切です。
ワンオペ育児を要因とした離婚を回避するためにできること

「離婚」という選択肢が頭にあるとしても、まだ関係修復の可能性があると感じるなら、諦める前に試せることがあります。ここでは、夫とのコミュニケーションの取り方から、家事・育児の分担見直し、外部サポートの活用まで、具体的なアクションプランをご紹介します。少しでも状況を好転させるために、できることから始めてみませんか?
夫に「辛さ」を伝えるためのコミュニケーション術
関係改善の第一歩は、やはり夫婦間のコミュニケーションです。しかし、ただ不満をぶつけるだけでは、状況は悪化しかねません。効果的に「辛さ」を伝え、夫に理解と協力を促すためには、少し工夫が必要です。
タイミングと場所を選ぶ
夫が疲れている時や機嫌が悪い時、テレビを見ている時などは避けましょう。「少し話したいことがあるんだけど、いつなら時間とれる?」と事前にアポイントを取るのがおすすめです。子どもが寝た後など、落ち着いて話せる時間と場所を選びましょう。
「私」を主語にして伝える
「あなたは全然手伝ってくれない!」(ユーメッセージ)という非難口調ではなく、「私は、毎日一人で家事と育児をこなすのが、体力的にも精神的にも限界だと感じているの」(アイメッセージ)というように、自分の気持ちや状況を主語にして伝えましょう。相手を責めるのではなく、自分の状態を伝えることで、夫も防御的にならずに話を聞きやすくなります。
具体的に伝える
「大変なの」と漠然と言うのではなく、「平日は毎日〇時間睡眠で、自分の時間はほとんど取れていない」「〇〇(家事)と〇〇(育児)を一人でやるのが特に負担に感じている」など、具体的に何がどう大変なのかを伝えましょう。現状を整理したメモを見せながら話すのも有効です。
感謝と期待を伝える
「いつも仕事を頑張ってくれてありがとう」といった感謝の言葉を前置きとして伝えることで、夫も話を聞く姿勢になりやすくなります。そして、「だからこそ、もう少し家事や育児を分担してくれたら、私も心に余裕ができて、あなたにもっと優しくなれると思うの」のように、協力してほしい具体的な内容と、それによって得られるポジティブな未来(期待)を伝えましょう。
一度で解決しようとしない
長年の問題が一度の話し合いで解決することは稀です。まずは「自分の気持ちを伝えること」「相手の言い分も聞くこと」を目標にしましょう。定期的に話し合いの機会を持つことが大切です。感情的になりそうな時は、一度クールダウンする時間を取りましょう。
家事・育児の分担を見直す具体的なステップ
コミュニケーションが取れたら、次は具体的な家事・育児の分担見直しです。
現状のタスクを洗い出す
まず、家庭内で発生している家事・育児のタスクを全てリストアップします。「名前のない家事」(トイレットペーパーの補充、ゴミ袋の交換、子どもの持ち物チェックなど)も忘れずに書き出しましょう。
お互いの得意・不得意、好き・嫌いを考慮する
全てを平等に分担するのが理想ですが、現実的には難しい場合もあります。お互いの得意なこと、比較的苦にならないことを考慮して、担当を決めていくのも一つの方法です。ただし、負担が偏りすぎないように注意が必要です。
具体的な担当と頻度を決める
「ゴミ出しは夫」「お風呂掃除は週交代」「週末の食事作りは夫」など、誰が・何を・いつやるのかを具体的に決めましょう。曖昧な決め方だと、結局やらなくなってしまう可能性があります。
完璧を目指さない
最初から完璧を目指すと、お互いにプレッシャーになります。まずはできそうなことから始め、少しずつ協力体制を築いていきましょう。夫がやってくれたことに対して、ダメ出しをするのではなく、「ありがとう、助かるよ」と感謝の気持ちを伝えることが、継続のモチベーションにつながります。
定期的に見直しを行う
子どもの成長や生活スタイルの変化に合わせて、分担内容は柔軟に見直していく必要があります。月に一度など、定期的に夫婦で話し合い、調整する機会を設けましょう。
外部サポートを上手に活用する
夫婦二人だけで抱え込まず、外部のサポートを積極的に活用することも、ワンオペ育児の負担を軽減する有効な手段です。
実家・義実家
頼れる場合は、遠慮せずに甘えましょう。ただし、関係性によっては頼みづらかったり、逆にストレスになったりする場合もあるので、無理は禁物です。感謝の気持ちを忘れずに、良好な関係を保つことが大切です。
ベビーシッター・ファミリーサポート
プロに子どもを預けて、自分の時間を作ったり、夫婦の時間を確保したりするのもおすすめです。最初は抵抗があるかもしれませんが、質の高いサービスを利用すれば、安心して子どもを任せられます。自治体によっては利用料の助成制度がある場合もあります。
家事代行サービス
掃除、洗濯、料理など、負担の大きい家事をアウトソーシングすることで、時間的・精神的な余裕が生まれます。「お金がもったいない」と感じるかもしれませんが、それであなたの笑顔が増え、夫婦関係が改善するなら、価値のある投資と言えるでしょう。スポット利用から試してみるのも良い方法です。
一時保育・託児所
短時間でも子どもを預かってもらえる場所があると、リフレッシュしたり、用事を済ませたりするのに役立ちます。地域の情報を調べてみましょう。
ネットスーパー・宅配サービス
買い物の手間を省くだけでも、負担は大きく軽減されます。積極的に活用しましょう。
「人に頼ることは悪いことではない」「お金で解決できることは解決する」という考え方にシフトすることも、ワンオペ育児を乗り切るためには重要です。
夫婦二人の時間、自分の時間を作る工夫
どんなに忙しくても、意識して「夫婦の時間」と「自分一人の時間」を作ることが、心の健康と良好な関係を保つ秘訣です。
夫婦の時間
・子どもが寝た後に、15分でも良いのでお茶を飲みながら話す時間を作る。
・月に一度、ベビーシッターなどを利用して、二人でランチや映画に出かける。
・意識して「ありがとう」「お疲れ様」などの言葉を掛け合う。
・寝る前に手をつなぐなど、簡単なスキンシップを心がける。
自分の時間
・夫に子どもを預けて、一人でカフェに行く、買い物に行く、美容院に行くなど、短時間でも自分のためだけの時間を作る。
・早起きして、家族が起きる前に好きなことをする時間を作る。
・趣味の時間を持つ(オンラインでできることなど、隙間時間で楽しめるものを見つける)。
・意識的に休息する時間を取り、何もしないでボーッとする。
時間は「作る」ものです。外部サポートも活用しながら、罪悪感を持たずに自分のための時間、夫婦のための時間を確保しましょう。
専門家(カウンセラーなど)に相談してみる
夫婦だけで話し合っても解決の糸口が見えない場合や、精神的に追い詰められていると感じる場合は、専門家の力を借りることも有効な選択肢です。
夫婦カウンセリング
夫婦問題の専門家であるカウンセラーが、第三者の視点から二人の話を聞き、コミュニケーションの改善や問題解決のサポートをしてくれます。お互いの本音を引き出し、建設的な対話を促す手助けとなります。
個人のカウンセリング
まずは自分自身の気持ちを整理したい、精神的なサポートが欲しいという場合は、個人でカウンセリングを受けるのも良いでしょう。自分の感情と向き合い、ストレス対処法を学ぶことができます。
自治体の相談窓口
多くの自治体では、子育て支援や女性相談、夫婦問題に関する相談窓口を設けています。無料で相談できる場合が多いので、気軽に利用してみましょう。
専門家に相談することは、決して特別なことではありません。問題を客観的に捉え、解決への道筋を見つけるための有効な手段です。
それでも離婚を考えるなら知っておきたいこと
関係改善に向けて努力しても、どうしても状況が変わらない、あるいは離婚以外の選択肢は考えられない、という結論に至ることもあるかもしれません。もし離婚という道を歩むことを決めた、あるいは真剣に検討しているのであれば、感情的にならず、将来のために知っておくべきこと、準備しておくべきことがあります。後悔のない選択をするために、冷静に考えていきましょう。
離婚後の生活をシミュレーションする
離婚後の生活は、想像以上に変化が大きいものです。具体的なシミュレーションを行い、現実的な見通しを立てることが重要です。
経済面
収入:
自分の現在の収入、あるいは今後見込める収入(仕事を探す場合)を考えます。資格取得やスキルアップが必要かどうかも検討しましょう。
支出:
家賃、光熱費、食費、子どもの教育費、養育費、保険料など、離婚後の生活に必要な費用を細かくリストアップし、試算します。
公的支援:
母子家庭(父子家庭)が利用できる児童扶養手当、住宅手当、医療費助成などの公的支援制度について調べ、受給条件や金額を確認します。
財産分与:
婚姻期間中に夫婦で築いた財産(預貯金、不動産、車、保険など)をどのように分けるのか、基本的なルールを理解しておきましょう。借金(負の財産)も分与の対象となる場合があります。
慰謝料:
離婚の原因が相手の不貞行為やDVなどにある場合、慰謝料を請求できる可能性があります。請求できる条件や相場について調べておきましょう。
養育費:
子どもを育てるために必要な費用です。相手の収入や子どもの人数に応じて算定されます。養育費算定表などを参考に、おおよその金額を把握しておきましょう。確実に受け取るための取り決め(公正証書など)も重要です。
住居
・離婚後、どこに住むのか(実家に戻る、賃貸アパートを借りるなど)を考えます。
・賃貸の場合、家賃相場や初期費用(敷金、礼金、保証料など)を調べ、契約に必要な手続きを確認します。母子家庭向けの公営住宅なども選択肢の一つです。
仕事
・現在仕事をしていない場合は、どのような仕事を探すのか、子育てと両立できる働き方は何かを考えます。
・ハローワークやマザーズハローワーク、就職支援サービスなどを活用し、情報収集や相談を行いましょう。
経済的な自立は、離婚後の生活を安定させる上で最も重要な要素の一つです。時間をかけて、しっかりと計画を立てましょう。
子どもへの影響と伝え方
離婚は、親だけでなく子どもにとっても大きな出来事です。子どもの年齢や性格に応じて、精神的な負担をできるだけ軽減できるよう、慎重な配慮が必要です。
子どもへの影響を理解する
離婚によって子どもが感じる不安、悲しみ、怒り、罪悪感などを理解し、寄り添う姿勢が大切です。不安定になったり、問題行動が出たりすることもありますが、根気強く向き合いましょう。
離婚について伝えるタイミングと方法
・離婚が決まったら、子どもの年齢に合わせて、正直に、しかし分かりやすい言葉で伝えることが望ましいとされています。
・「パパとママは、夫婦としては別れるけれど、あなたのパパとママであることには変わりない」「どちらもあなたのことが大好きだよ」というメッセージを伝えることが重要です。
・相手の悪口を吹き込むのは絶対に避けましょう。子どもを板挟みにし、深く傷つけることになります。
・可能であれば、夫婦そろって伝えるのが理想ですが、難しい場合は、どちらか一方が伝える、あるいは時期をずらして伝えるなどの方法を検討します。
面会交流について
離婚後も、子どもが別れた親と定期的に会う「面会交流」は、子どもの健やかな成長のために重要とされています。頻度やルールなどを、子どもの気持ちを尊重しながら、夫婦で具体的に取り決めましょう。DVなど特別な事情がある場合は、安全を最優先に考え、専門家(弁護士など)に相談しましょう。
精神的なケア
離婚後の子どもの心のケアは非常に重要です。スクールカウンセラーや児童相談所などの専門機関に相談することも考えましょう。何よりも、親であるあなたが精神的に安定し、子どもに愛情を注ぎ続けることが大切です。
弁護士への相談など、法的な準備について
離婚には、様々な法的な手続きが伴います。後々のトラブルを防ぎ、自分と子どもの権利を守るためにも、専門家である弁護士に相談することを強くお勧めします。
弁護士に相談するメリット
・離婚に関する法的なアドバイス(親権、養育費、財産分与、慰謝料など)を受けられる。
・相手との交渉を代行してもらえる(精神的な負担が軽減される)。
・法的に有効な離婚協議書や公正証書の作成をサポートしてもらえる。
・調停や裁判になった場合の手続きを任せられる。
相談のタイミング
離婚を決意した段階、あるいは具体的に離婚に向けて動き出す前に相談するのが理想的です。早めに相談することで、有利に進めるためのアドバイスを受けられたり、不利になる行動を避けられたりします。
弁護士の選び方
離婚問題に詳しい、実績のある弁護士を選びましょう。初回相談無料や法テラス(日本司法支援センター)の利用なども検討しましょう。複数の弁護士に相談して、相性の良い、信頼できる弁護士を見つけることが大切です。
準備しておくこと
相談に行く前に、これまでの経緯や相手への要望、財産状況などをまとめたメモを作成しておくと、スムーズに相談が進みます。証拠となるもの(メール、写真、日記、診断書など)があれば持参しましょう。
弁護士費用はかかりますが、将来的なトラブルを回避し、正当な権利を確保するためには、必要な投資と考えるべきです。
新しい人生を前向きに歩むための心構え
離婚は、一つの関係の終わりであると同時に、新しい人生の始まりでもあります。不安や寂しさを感じることもあるかもしれませんが、前向きな気持ちで未来を捉えることが大切です。
自分を大切にする
離婚という大きな決断をした自分を認め、労ってあげましょう。無理せず、休息を取り、自分の好きなことや心地よいと感じることをする時間を大切にしてください。
過去にとらわれすぎない
過去の出来事や相手への恨みにとらわれ続けると、前に進むエネルギーを失ってしまいます。反省すべき点は反省しつつも、未来に目を向けましょう。
周りのサポートを頼る
一人で抱え込まず、友人、家族、あるいは専門家など、頼れる人に頼りましょう。話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなることがあります。
小さな目標を設定する
新しい生活に向けて、実現可能な小さな目標を設定し、一つずつクリアしていくことで、自信を取り戻し、達成感を得ることができます。
焦らない
新しい生活に慣れるには時間がかかります。焦らず、自分のペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。
離婚後の人生は、あなたが自由に設計できる、まっさらなキャンバスです。困難もあるかもしれませんが、それを乗り越えた先には、きっとあなたらしい幸せが待っています。
まとめ
ワンオペ育児の負担と孤独感から「離婚したい」と感じてしまうのは、決してあなたのせいではありません。それは、あなたが限界まで頑張ってきた証拠であり、変化を求める心の叫びです。どうか、自分自身を責めないでください。
この記事でご紹介したように、夫婦関係を改善するためにできることはあります。コミュニケーションを見直し、家事・育児の分担を具体的に話し合い、外部のサポートを積極的に活用する。諦める前に、試せることはまだあるかもしれません。
しかし、努力しても状況が変わらない場合、あるいは、あなた自身の幸せのために離婚という選択が必要だと判断した場合、それもまた尊重されるべき決断です。大切なのは、あなたが納得し、前を向いて歩める未来を選ぶことです。
この記事が、あなたが自分の心と向き合い、より良い未来を選択するための一助となれば幸いです。あなたは決して一人ではありません。